株式会社アトックス

ライフサイエンス事業前立腺がん診断薬「68Ga-PSMA」の研究開発

北海道大学と前立腺がん診断薬「68Ga-PSMA」の研究開発

高齢男性における前立腺がんの比率は非常に高く、日本でも男性のがんの中でも患者数は1位となっています。従来の診断方法は生検という方法で、直接患部に針を刺して生体を採取しなければならないなど患者の負担も大きく時間もかかっていました。
アトックスはこうした患者の負担を減らすべく2018年10月31日に北海道大学と共同研究契約を締結し、PET診断に使用する診断薬「68Ga-PSMA」の開発を進めています。
68Ga-PSMA」は前立腺がんを高い精度で診断できる薬剤として大きな期待を寄せられており、PET診断に「68Ga-PSMA」の使用が可能となれば、前立腺がんの診断において患部に針を刺して生体採取する必要がなくなります。
北海道大学との共同研究においてアトックスは、前立腺がん診断薬 「68Ga-PSMA」に用いる 68Ge/68Gaジェネレータ産生68Ga溶液の品質検証を担っています。

68Ge/68Gaジェネレータ
PET検査で使用される診断薬を製造するために必要となる 放射性ガリウム(68Ga)溶液 を、手軽に溶出(特定のものを取り出し)できる小型装置

放射性ガリウム(68Ga)は加速器など大型設備を用いなければ生成できなかったため、核医学を研究する多くの機関から、欧米で主流となっているコンパクトなジェネレータに対する要望が寄せられていました。
アトックスはこうしたニーズに迅速に応えるため、2018年にベルギーのIRE ELiT社との間で、同社の68Ge/68Gaジェネレータ「Galli Eo®」を日本で独占販売する契約を締結しました。

68Ge/68Gaジェネレータ「Galli Eo®」は放射平衡の親核種68Geから、娘核種の68Gaをミルキング(溶出)することができる小型装置です。ポジトロン放出核種の68Gaは、対象分子(がん等)に集積する薬剤と組み合わせて、PET診断(陽電子放出断層撮影)に用いられます。